青空文庫

「まじょりか皿」の感想

まじょりか皿

まじょりかざら

初出:「ホトトギス 第十二巻第四号」1909(明治42)年1月1日

寺田寅彦11

書き出し

十二月三十一日、今年を限りと木枯しの強く吹いた晩、本郷四丁目から電車を下りて北に向うた忙がしい人々の中にただ一人忙がしくない竹村運平君が交じっていた。小さい新聞紙の包を大事そうにかかえて電車を下りると立止って何かまごまごしていたが、薄汚い襟巻で丁寧に頸から顋を包んでしまうと歩き出した。ひょろ長い支那人のような後姿を辻に立った巡査が肩章を聳かして寒そうに見送った。竹村君は明けると三十一になる。四年前

2021/08/23

19双之川喜41さんの感想

 わずかな収入で ほぼ高等遊民のような生活をしている男が 欲しかった繪皿を 買ってしまい まるで 遂げられない想いの 身代わりを 手中にしたような気持ちになる。 寅彦の小説は 初めて読んだように思う。

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