青空文庫

「嵐」の感想

あらし

初出:「ホトトギス 第十巻第一号」1906(明治39)年10月1日

寺田寅彦12

書き出し

始めてこの浜へ来たのは春も山吹の花が垣根に散る夕であった。浜へ汽船が着いても宿引きの人は来ぬ。独り荷物をかついで魚臭い漁師町を通り抜け、教わった通り防波堤に沿うて二町ばかりの宿の裏門を、やっとくぐった時、朧の門脇に捨てた貝殻に、この山吹が乱れていた。翌朝見ると、山吹の垣の後ろは桑畑で、中に木蓮が二、三株美しく咲いていた。それも散って葉が茂って夏が来た。宿はもと料理屋であったのを、改めて宿屋にしたそ

2024/10/23

8eb05d040692さんの感想

旅情感ある作品で良かったです。嵐の夜の怖さと過ぎ去った後の寂寥感が描かれていて良かったです。

2021/03/09

19双之川喜41さんの感想

 熊さんの  店のつもりの  掘っ立て小屋は  柱は竹で  屋根は 障子の上に むしろを乗せたものである。  嵐で 小屋が吹き飛んだけど  主の熊さんは  板切れや棒を 拾い集めて  再建を目指している。 いつもと同じように  表情も変えず  黙々と 過ごしているところがすごいと感じた。

2018/08/27

奄桜矢齋蔵奈緒男さんの感想

熊さんに何があったのか、どんな人生を歩いてきたのか、決して明るくない漁村の風景風情がこの作品のスパイスとなって、読み手に印象付けます。ありがちな日常を、上手く印象付けてます。

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