青空文庫

「マルクスの審判」の感想

マルクスの審判

マルクスのしんぱん

初出:「新潮」新潮社、1923(大正12)年8月1日発行、第39巻第2号

横光利一33
内省犯罪の動機社会批評社会疎外分析的厳粛鬱屈

書き出し

市街を貫いて来た一条の道路が遊廓街へ入らうとする首の所を鉄道が横切つてゐる。其処は危険な所だ。被告はそこの踏切の番人である。彼は先夜遅く道路を鎖で遮断したとき一人の酔漢と争つた。酔漢は番人の引き止めてゐるその鎖を腹にあてたまま無理にぐんぐんと前へ出た。丁度そのとき下りの貨物列車が踏切を通過した。酔漢は跳ね飛ばされて轢死した。そこで、予審判事は、番人とはかやうな轢死を未然に防ぐための番人である以上、

2022/04/02

19双之川喜41さんの感想

 判事は 我ながら手際の良いと思われる誘導尋問で 通行人を 死に至らせた踏み切り番を 自分は わざとやったかもしれないと思わせるのに 成功したような 気がした。 一晩 考えてみて やはり 階級闘争なるものには 無縁と思い 無罪に するべきとの 結論をえた。 鳥の眼で 観ることの 不自然さに 思い至ったのは 上出来と感じた。

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