青空文庫

「日高十勝の記憶」の感想

日高十勝の記憶

ひだかとかちのきおく

書き出し

オホナイの瀧日高の海岸、樣似を進んで冬島を過ぎ、字山中のオホナイといふあたりに來ると、高い露骨な岩山が切迫してゐて、僅かに殘つた海岸よりほかに道がない。おほ岩を穿つたトンネルが多く、荷車、荷馬車などはとても通れない。人は僅かに岩と浪との間を行くのであつて、まごついてゐると、寄せ來る浪の爲めに乗馬の腹までも潮に濡れてしまふのだ。或高い岩鼻をまはる時など、仰ぎ見ると、西日に當つて七色を映ずる虹の錦の樣

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