青空文庫

「あの顔」の感想

あの顔

あのかお

不忘38
内省喪失と記憶夢と現実内省的鬱屈

書き出し

一六月の暑い日の午後、お久美は、茶の間にすわって、浮かない面持ちだった。そういえば、誰も気がつかなかったが、朝から不愉快そうにしていた。暑さのためばかりではないらしかった。綿雲のような重いものが、かの女のこころに覆いかぶさっているのだった。お久美は、この、何一つ不自由のない環境と思い合わせて、胸に手を置くといった気もちで、静かに、その原因が何であるか考えてみようとした。じっさい、結構な御身分と人に

2020/12/23

19双之川喜41さんの感想

 何の不自由もなく暮らしている女は  10年ぐらい前に見た夢を 最近また 見るようになってしまったけど  夢の中の景色は 年を経た形に 古びているのだった。 医者から転地療法を勧められたので  海岸に 逗留し 崖から落ちて死んでしまう。 ソフトな怪談とでも言うべきか。

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